散り行くけど、

どれだけ泣いただろう。目の周りが、とても痛い。
わたしの横には嘗てわたしを愛してくれていた、とても大切な人の亡骸。(涙をいくら拭いても、あなたを見たらまた涙がでてきて、)いつもいつもわたしを愛してくれて、数え切れないほどの幸せをくれた。中学生の頃からずっと、共に喜び、笑い、怒り、涙して。その度に大切なものたちに気づけて。
ツナは、綱吉は、とても優しい人だった。こんな血塗られた世界に向いている人間じゃなかった。でも、人は変わるってよく言うように、色々な人たちに会って色々なことをしているうちにツナも立派なマフィアのボスになっていて、気が付けば、あの情けない顔も、凛々しく堂々とした立派なものになっていた。(それでも、まだちょっぴり情けなさがあるのが、とっても可愛かった)それでも変わらず愛してくれていて。わたしも、変わらずツナを愛していた。

「うっ・・・ツナぁ・・・」

わたしの情けない声は、二人っきりの世界に木霊した。(正確にはひとりぼっちなのかもしれない)何度呼んでも、返事なんて返ってこなかった。ほんとに、寝てるんじゃないかって思うくらいに安らかに眠る顔を、真っ赤な血が染めている。(それでも、そんなツナがとても綺麗だと思ってしまった私は狂っているのかもしれない)耳が痛くなるような沈黙に、この血まみれの空間だけ、世界と切り離されているように思えた。そしてこの血塗られた世界で二人ぼっちのわたしとツナ。さっきまで獄寺君や山本君、京子ちゃんにハルちゃん、イーピンにランボ、雲雀さんに了平さん、骸さんと千種くんと犬くん、そしてリボーンちゃん。みんなみんな、悲しんだ。あのリボーンちゃんまで涙を流したのだ。それくらい、ツナはみんなに信頼されていた。
今日は敵対しているファミリーから決闘を申し込まれ、ツナは一人でこの場所に来た。でも、相手は100人くらい居たようで、話が違うといってツナに前もって相手の情報を聞き取るために盗聴器を付けていたディーノさんがキャバッローネの部下達に応援にいかせたらしいけど、全滅。結局、ツナは一人で100人と戦った。袋叩きになったって、頭を殴られたって、足を銃で撃たれたって。決してツナは屈することはなかった。けれど、いくら最強のボスでも、100人には敵わなかった。相手が強すぎた。きっとボンゴレを潰すつもりだったのだろう、この何年間かでとても力を付けて来たらしい。最期は、銃弾が心臓に届いたんだと、リボーンちゃんは言っていた。(これを聞いて、わたしは眩暈で倒れそうになった)

これからわたしはどうして行けばいいというんだろう。突然わたしは光を失った。影が作られることすらない沈黙の闇にわたしは落とされた。(いくら泣き叫んだって、嘆いたって、わたしの世界に光が差すことはない、)でもきっと、ツナはこんなわたしを見て『、泣かないで』って優しく微笑んで頭を撫でてくれる。この決闘に出る前に撫でてくれたあのくすぐったい幸せな感覚が、今も鮮明に、リアルに残っている。それがとても嬉しくて、切なくて。
生きていると信じたくなってしまうんだ。


またどこかで、会える気がするよ。
だから、さよならなんて言わないよ。

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(071222)